
社会福祉学と教育学をベースにし、
子ども、障がい者、低所得者、高齢者、LGBTQといった
多様な人々の
"学び"と"生活"について考えます。
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- 金田知子 教授
- KANATA Tomoko
- 社会福祉学
社会で暮らす人びとの
よりよい生活を実現する─
そのために社会福祉を学び、
行動するのです。
現代社会に生きる人々がどのような生活問題を抱えているのかを理解したうえで、社会福祉の視点で支援方法を考えます。日本だけでなく海外の福祉についても取り上げていきます。
私はこんな人!
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私の専門は社会福祉学です。なかでも特に精神障害者福祉や国際福祉に興味を持っています。もともとは日本とイギリスで社会福祉学を学び、欧米の福祉に関心を寄せていましたが、10数年位前からは、社会福祉制度そのものがほとんど存在しないような途上国、特にアフリカに目を向け、そこで暮らす精神障害者の研究をしています。
現在取り組んでいる研究テーマは、「社会開発とソーシャルワーク」です。アフリカ諸国をはじめとする、途上国の精神障害者が直面する問題を解決するためには、これまでのケースワークを中心とした治療的支援だけではなく、むしろ社会改革や経済活動を含む社会開発的アプローチが、ソーシャルワーク実践において必要であると考えています。
2015年度後期から2016年前期にかけて、南アフリカにあるステレンボッシュ大学ソーシャルワーク学部に客員研究員として留学しました。南アフリカは、社会開発的視点を包摂したソーシャルワーク、すなわち「開発的ソーシャルワーク」を研究および実践において、いち早く導入した国です。南アフリカのソーシャルワーク研究および実践からの知見を、今後の教育に活かしていきたいと思っています。
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専攻ゼミでは「社会福祉」をテーマとしてゼミ研究を進めています。「社会福祉」とは、社会の人々の幸福な生活を実現するための制度や活動といえます。
専攻ゼミ(Ⅰ)では、社会で暮らすさまざまな人々の生き方やその根底にある価値観を理解することを目標に、ライフストーリー・インタビューを実施しています。ゼミ生たちは、インタビューをする上で必要な理論、面接技法(コミュニケーションスキルなど)や信頼関係構築のスキルを学んだ上で、興味のある人たちにライフストーリー・インタビューを行い、その結果を分析し発表しています。
専攻ゼミ(Ⅱ)では、卒業研究のための方法を学び、次いでテーマ設定、資料収集、関連文献講読、執筆作業を行います。国内外のさまざまな福祉的課題(貧困、虐待、非行、子育て、自殺、薬物依存、介護、犯罪等)のなかから、それぞれの興味・関心に沿って、卒業論文のテーマを決めて取り組んでいきます。さらにこのゼミでは、社会福祉や国際協力(国際福祉)の現場で働いている方々のお話を伺う機会を設けたりして、ゼミ生たちが将来の方向性を見極める機会を持ちたいとも思っています。
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- 奥野佐矢子 教授
- OKUNO Sayako
- 教育哲学・人間形成論
学校教育に留まらない、
人生のあらゆる局面で
起動する「学び」を扱う
人間形成論へ。
多様な文化・価値の混在する現代社会で「わたし」の認識や行為はどう創られるのか。英米圏のアイデンティティ政治学やフェミニズム研究等を手がかりに、今日的な人間形成モデルを探ります。
私はこんな人!
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専門は教育哲学(人間形成論)、道徳教育です。大学院在学中にアメリカ・ミネソタ大学に留学、倫理発達センターに1年間在籍しました。その際、多文化社会、多様な価値の混在するアメリカの今にあって、「わたし」の認識や行為を規定するアイデンティティ政治学の学問領域に深い関心を抱き、そのなかでフーコーと精神分析を架橋しつつアイデンティティ形成のプロセスを徹底的に掘り下げていくアメリカ・フェミニズム批評の第一人者J.バトラー(Judith Butler)の思想に出会いました。現在は彼女が主にフェミニズムやアイデンティティ政治学の領域で展開している批判理論の枠組みを、より一般的な人間形成論へと彫琢することを目指しています。同時にそうした人間形成モデルの観点から道徳性発達段階説やカウンセリングなどの心理学説を応用した道徳教育実践プログラムの妥当性を検証することをサブテーマとしています。
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テーマは「教育」です。「教育」は単に学校という場でのみ生じるものではありません。親と子、友人関係、あるいは本を読む、映画を見るなどの経験において、あらゆるところで学びは起動します。教える-学ぶという事象のもつ面白さについて、これまでどういった研究の蓄積があり、それを踏まえて自分はどのように研究を深めていくのか。ゼミでの発表や議論を通して、卒論という形にしていきます。
専門ゼミ(Ⅰ)の前期では、テーマの探し方、文献のあたり方などゼミ研究の基本的な作業や方法について確認した後、実際に教育に関する文献を輪読し、研究の手順や方法について学びます。後期はゼミメンバーのみなさんが自分で選んだテーマについて報告してもらい、受講者全員で質疑応答や議論を行います。
専門ゼミ(Ⅱ)では、それぞれの卒論テーマを深めていきます。報告者がレジュメを作成して報告し、受講者全員で議論します。同じ事象に関心をもつ他メンバーと交流しつつ、ともに学ぶことを通じて、研究の面白さを体感するとともに、教育という事象へのそれぞれのアプローチをはっきりさせ、卒業論文執筆へと繋げていきます。
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- 與那嶺 司 教授
- YONAMINE Tsukasa
- 社会福祉学
みんなが幸せになること
なんてない。かもしれない。
でも、それを考え続ける。
それが社会福祉学です。
私たちは、時に、難しい生活問題に直面します。社会福祉学では、これらの問題を、その人個人のものとしてだけではなく、その人を取り巻く社会環境との関係で捉え、その支援を考えます。
私はこんな人!
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社会福祉学の中でも、特に、精神保健福祉を含めた「障害者福祉」が私の研究分野になります。現在は、知的障害のある人がどのように「自己決定」を行い、そして、その行為にはどのような要因が関連しているのかについて、調査・研究に取り組んでいます。それにより、知的障害のある人のQOL(生活の質)を高める福祉的支援のあり方を明らかにしたいと考えています。また、並行して、相談支援専門員(障害者福祉分野におけるソーシャルワーカー)による効果的な援助実践についても、調査・研究を行っています。高校時代から障害のある人の当事者運動に関わり、また、アメリカの大学院に留学し、障害のある人への「ソーシャルワーク(社会福祉援助実践の一形態)」とは何かについて学んできました。これらの経験や学びも踏まえて、現在、上記の研究テーマに取り組んでいます。
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専攻ゼミ(Ⅰ)では、各自の関心のある社会福祉分野に関連した文献をもとに、個別発表を進めていきます。具体的には、LGBTQ、子ども虐待、認知症、障害者の自立生活、発達障害などのテーマが考えられます。加えて、専攻ゼミ(Ⅱ)の卒業研究も念頭に置き、多様な文献の探し方、アカデミック・ペーパーの書き方、プレゼンテーションの仕方などを確認します。その後、個別発表とともに、卒業研究に向けて、テーマ絞込みのためレポートを作成してもらいます。
また、専攻ゼミ(Ⅱ)では、卒業研究のため、それまでの各自のテーマを深め、その研究プロセスを支援します。その中で、インタビュー調査やアンケート調査の仕方といった調査方法についても学ぶことになります。
私の専攻ゼミでは、学生が自主的に責任をもって運営できるように、逐次相談しながら進めます。学生の自主性にもよりますが、ゼミ食事会、ゼミ合宿、福祉現場訪問等の機会を通して、社会福祉分野についての多様な学びの場を提供したいと考えています。ちなみに、「楽しく面白く、しかしケジメをつけるときは厳しく」が私の専攻ゼミのモットーです。
社会福祉・子どもをメインに、「何をどう学ぶか」の組み合わせは7種類。
3年次までにやりたいことを見つけましょう。