
言語や文化を深く理解し、
日本文化を発信する力を養いましょう。
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- 藏中さやか 教授
- KURANAKA Sayaka
- 日本古典文学
日本古典文学の世界の
扉を開き、わたしたちの
心の源流にあるものを
貴女自身で解明してください。
和歌や物語を中心に日本の古典文学作品を研究します。研究史をたどりながら複数の作品を講読することにより、時代背景や文化などを幅広く読み解いていきます。
私はこんな人!
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「あなたの好きな和歌を一首教えてください」こう問われたら、どんな和歌を思い浮かべますか。「やまとうたはひとのこころを種として、よろづの言の葉とぞなれりける」と『古今和歌集』仮名序に言うように、人の心の本質をことばにしたもの、四季の風情や恋の想いを五・七・五・七・七という音数律で綴ったものが和歌です。『百人一首』からもわかるように、和歌の凝縮された表現には、日本の伝統的な考え方や美意識が息づき、美しくも深い世界が内包されています。
私が研究しているのは、古典文学の中でも、特に中古・中世の和歌です。どのような機会に誰によって詠作されたのか、どのように解釈するのか、当時はどのように評価されたのか、といった一首・一語を巡る問題や、集全体の成立や伝播に関わる問題、一人の歌人の交友関係や生涯、そして歌学びの在り方やそれを支えた書籍類にまつわる問題など、扱う事柄は多岐にわたります。共同研究という形で、『文集百首』や『頼政集』に現代語訳を施したり、藤原清輔による『奥義抄』や『和歌一字抄』の校本を作成したりすることもおこなってきました。歌題集成書という中世以降の歌学びには欠かせなかったと考えられる一群の書籍類の存在意義、史的価値や書承関係の解明にも取り組みました。
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私のゼミでは、日本古典文学作品を主たる対象にして、作者論、作品論、人物造型、古典の語法や時代背景、文化など、幅広く研究しています。
3年次の前期は、一作品をとりあげ、精読・鑑賞します。単に語釈や現代語訳をおこなうのではなく、先行研究の成果に触れながら多様な古典文学の研究手法を学びます。3年次の後期は、「くずし字」の読み方を実践的に学習し、「くずし字」で書かれたテキストの扱い方を修得します。作品読解を通じて、前期で学んだ方法を深めつつ古典本文そのものが持つ問題点にも迫ります。3年次はただ単に古典文学に触れて作品世界を味わうだけの一年間ではありません。〈自分だけの卒業研究〉をするために必要な知識をたくわえ、研究する力を養うための貴重な時間です。ゼミの時間には、それぞれが自身の関心にそって作品を掘り下げた学びの成果を、作成資料に基づいて個別に発表し、質疑応答を重ねます。4年次は、各自の見出したテーマに沿って卒業研究をおこない、卒業論文を作成します。完成した論文は、合評の場を経て、ゼミ独自で編集している藏中ゼミ卒業論文集『たまゆら』に掲載し、ゼミ生全員に配布しています。
また、各種博物館・美術館の展示観覧、ゼミ旅行(文学遺跡探訪・寺社拝観)などをゼミ活動として企画し、学外での学びの機会も積極的に取り入れています。
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- 建石 始 教授
- TATEISHI Hajime
- 日本語学・日本語教育学
日本語を客観的に見つめ直すこと、
それが日本語学!外国語として日本語を教えること、
それが日本語教育!
日本語学や日本語教育について考えます。外国語としての日本語がどのようなものか、また、外国人が日本語をどのように習得していくのかなどについて考えます。
私はこんな人!
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私の専門は日本語学と日本語教育です。日本語学では、現代日本語文法、特に名詞修飾表現や数量表現といったテーマに重点を置いて研究を行っています。また、最近では小説、新聞、雑誌などの文章をデータベース化したコーパスという資料を用いた研究も行っています。
日本語教育では、「中国語話者のための日本語教育研究会」に所属しており、中国語圏からの留学生に対する効果的な日本語教育の方法を考えています。日本国内の留学生のうち約7割が中国語圏からの留学生と言われており、彼らに対する日本語教授法を考えることは非常に意義のあることと言えます。
最近は日本語学習者のための日本語教育文法を構築する研究も行っています。例えば、「さっき着いたばかりだ」と「さっき着いたところだ」はどう違うでしょうか。「~たばかりだ」と「~たところだ」は類義表現とされますが、コーパスを使ってこれらの表現の違いを分析するなど、類義表現の分析に力を入れています。
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3年生前期のゼミでは、日本語学・日本語教育学に関する論文を購読します。受講生は事前に論文を予習し、疑問点や問題点をまとめておきます。ゼミではグループワークを用いて、その疑問点や問題点についてディスカッションを行います。それらの活動を通して、日本語学・日本語教育学の分野で論文を書くとはどういうことなのか、どのようなテーマで論文を書けばよいのかなどを理解します。また、7月ごろには卒業論文のテーマの絞り込みを行います。
3年生後期のゼミから本格的に卒業論文の指導が始まります。3年生後期のゼミでは、発表担当者が卒業論文のテーマに関する論文(先行研究)の内容について発表します。この作業を通してテーマの絞り込みを行います。4年生のゼミでは、発表担当者が各自の卒業論文の内容について発表しながら、卒業論文を作成していきます。また、適宜、卒業論文の書式や形式についても指導を行います。
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- 笹尾佳代 准教授
- SASAO Kayo
- 日本近現代文学
小さな声にも耳をすまし、
その背後の社会を見つめる。
文学研究は多様な生に
寄り添うことです。
明治以降の日本の文学作品について研究しています。表現を読み解く力を養うとともに、時代背景や周辺文化などにも目を向けることから、社会における文学的事象の位置について考えます。
私はこんな人!
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日本近現代文学について研究しています。特に、樋口一葉を対象として、時代の中で文学的な事象がどのような意味を持ったのかについて考えてきました。
文学作品に描き出されているのは、個人的な小さな空間です。そこには、その時々の日常性や、記録としては残りにくい人々の心情が表されています。そして、その小さな空間にもまた、政治や歴史の諸相が織り込まれています。作品の表現からそのありさまを読み解くこと、人々の経験を迫体験し、作品が生み出された状況との関係性を考えること。ここに文学研究の面白さがあるのではないかと考えています。
また、文学作品や作者をめぐる評価がどのように引き継がれてきたのか、ということについても関心を持っています。時間や場所を越えて伝えられてこなければ、作品やその作者の存在は忘れ去られていたはずです。映画やラジオ、漫画、アニメーションなどといったメディアとの関わりに注目することから、文学的事象が享受されていく様や、その社会的な位置について考えてみたいと思っています。
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日本近現代(明治以降)の文学作品を主な対象とし、時代背景や周辺文化についてなど、幅広く研究していきます。
3年生のゼミでは、文学作品への多様なアプローチ方法を学びます。例えば、1)文学理論や批評理論について学び、それらを補助線として作品を読み解くことや、2)発表された時代状況についての調査を行い、それとの関わりに留意しながら作品を読み解くことなどを行います。文学作品を多角的に読むことを通して、表現されたものに対する意識を高めるとともに、広く社会における文学的事象の位置にも目を向けて欲しいと思っています。そのためには、様々な文献を読むことが不可欠です。
ゼミをきっかけに関心の幅を拡げた上で、それぞれがテーマを絞って、卒業論文につなげていくことを目指します。4年生のゼミは卒業論文の発表を中心に行いますが、ゼミ生のテーマに隣接したものも、できるだけゼミの中で取り上げてみたいと思っています。
日本語・日本文学をメインに、「何をどう学ぶか」の組み合わせは7種類。
3年次までにやりたいことを見つけましょう。