社会福祉学と教育学をベースにし、
子ども、障がい者、低所得者、高齢者、LGBTQといった
多様な人々の
"学び"と"生活"について考えます。
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- 岩間文雄 教授
- IWAMA Fumio
- 社会福祉学
生活の質を高め、幸せを支える。その方法を考え続ける。それが社会福祉学です。
人は、自分の力だけでは解決することが難しい生活問題に直面することがあります。その困っている人の状況を、取り巻く環境との関係に着目してとらえ、本人の意思を尊重した問題解決方法を考えていきます。
私はこんな人!
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社会福祉には、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、地域福祉、医療福祉といった多様な分野があり、重要とされる法律や対象者理解のための知識には、それぞれの分野で違いがあります。また、社会福祉には、社会問題に対応した制度・施策と、生活上の課題に直面し困っている人たちとその環境に働きかけ、よりよい適応に向けた変化を促す援助活動が含まれます。そうした援助活動のための方法を、ソーシャルワークといいます。
私は、社会福祉の分野の中でも、精神障害がある人の社会参加に向けた支援と、メンタルヘルスに関して課題を抱える人に対する支援を主な内容とする精神保健福祉におけるソーシャルワークを専門としています。精神障害がある人は、周囲の人から理解されにくく誤解や偏見による差別に苦しめられること、疾病と障害をあわせもつため、医療による治療だけでなく福祉による生活支援を必要とすること等が特徴といわれています。精神障害がある人やその家族を支え生活の質を高めるための援助を展開するために、また精神障害に関する社会啓発の促進のために、ソーシャルワークをどのように展開すれば効果的なのかを検討することが私の研究テーマです。
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専攻ゼミでは、生活課題に気づきその背景も含めて理解できること、生活課題の解決に向けた援助の方法について深く考えられるようになることを目標としています。主体的な学習を通じて、自分が特に深く知りたいと思うテーマを明確にし、それについて文献を探して調べ、発表し、議論を通じて考察を深め、設定した問いに対する自分なりの答えを見つけ出せるようにします。
3年生では、多様な要素を含む社会福祉の概念整理に取り組みます。さらに、今日社会福祉において注目される課題の中から、学生の関心に沿って幾つかのテーマを取り上げ、各自が資料を整理して発表し、質疑応答や議論を通じて卒業論文作成に向けた方向性を決めていきます。
4年生では、各自が決めた自分のテーマについて調べた内容を発表し、他の学生の力もかりて議論しながら考察を深め、卒業論文を作成していきます。
卒業論文のテーマについては、例えば障害がある人の就労支援、障害がある人の家族の支援、ヤングケアラーへの支援、アルコール依存症からの回復支援、災害時における障害がある人への支援、子どもの貧困への対策、自殺を予防するための対策などが考えられます。
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- 金田知子 教授
- KANATA Tomoko
- 社会福祉学
社会で暮らす人びとの
よりよい生活を実現する─
そのために社会福祉を学び、
行動するのです。
現代社会に生きる人々がどのような生活問題を抱えているのかを理解したうえで、社会福祉の視点で支援方法を考えます。日本だけでなく海外の福祉についても取り上げていきます。
私はこんな人!
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私の専門は社会福祉学です。なかでも特に精神障害者福祉や国際福祉の領域に興味をもっています。もともとは日本とイギリスで社会福祉学を学び、欧米の福祉に関心を寄せて研究を進めていました。しかし10数年前から、社会福祉制度そのものがほとんど存在しないようなアフリカに目を向け、春休みや夏休みを利用してアフリカの英語圏の国々にフィールドワークに行くようになりました。さらに、2015年度後期から2016年度前期にかけて、南アフリカにあるステレンボッシュ大学ソーシャルワーク学部に客員研究員として1年間留学しました。
現在取り組んでいる研究テーマは、「シエラレオネにおける精神障害当事者・家族主体のメンタルヘルスケア導入に関するフィージビリティ研究」です。シエラレオネのように精神保健福祉施設がほとんど存在せず、フォーマルな精神保健サービスの提供が極めて限定的な社会では、家族や隣人、そして何よりも精神障害当事者自身をエンパワメントすることが重要なアプローチとなります。アフリカ(シエラレオネ)社会のために、日本の精神障害当事者・家族によるセルフヘルプやエンパワメントをめぐる豊かな実践や経験を援用・活用できないかという思いから、本研究に取り組むようになりました。
また精神障害者の人権問題にも関心をもっています。日本の精神科病院に入院中の患者さんの半数近くが強制的に入院させられています。そうした方々に対する入院の判断や処遇が果たして適当なものなのかどうかを、医療従事者のみならず患者さんやその家族の方々の意見を聞きながら審査する活動も行っています。
こうしたアフリカや日本における研究および実践からの知見を、積極的に教育に活かしていきたいと考えています。
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専攻ゼミでは「社会福祉」をテーマとしてゼミ研究を進めています。「社会福祉」とは、社会の人々の幸福な生活を実現するための制度や活動といえます。
専攻ゼミ(Ⅰ)では、社会で暮らすさまざまな人々の生き方やその根底にある価値観を理解することを目標に、ライフストーリー・インタビューを実施しています。ゼミ生たちは、インタビューをする上で必要な理論、面接技法(コミュニケーションスキルなど)や信頼関係構築のスキルを学んだ上で、興味のある人たちにライフストーリー・インタビューを行い、その結果を分析し発表しています。
専攻ゼミ(Ⅱ)では、卒業研究のための方法を学び、次いでテーマ設定、資料収集、関連文献講読、執筆作業を行います。国内外のさまざまな福祉的課題(貧困、虐待、非行、子育て、自殺、薬物依存、介護、犯罪等)のなかから、それぞれの興味・関心に沿って、卒業論文のテーマを決めて取り組んでいきます。さらにこのゼミでは、社会福祉や国際協力(国際福祉)の現場で働いている方々のお話を伺う機会を設けたりして、ゼミ生たちが将来の方向性を見極める機会を持ちたいとも思っています。
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- 奥野佐矢子 教授
- OKUNO Sayako
- 教育哲学・人間形成論
学校教育に留まらない、
人生のあらゆる局面で
起動する「学び」を扱う
人間形成論へ。
多様な文化・価値の混在する現代社会で「わたし」の認識や行為はどう創られるのか。英米圏のアイデンティティ政治学やフェミニズム研究等を手がかりに、今日的な人間形成モデルを探ります。
私はこんな人!
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専門は教育哲学(人間形成論)、道徳教育です。大学院在学中にアメリカ・ミネソタ大学に留学、倫理発達センターに1年間在籍しました。その際、多文化社会、多様な価値の混在するアメリカの今にあって、「わたし」の認識や行為を規定するアイデンティティ政治学の学問領域に深い関心を抱き、そのなかでフーコーと精神分析を架橋しつつアイデンティティ形成のプロセスを徹底的に掘り下げていくアメリカ・フェミニズム批評の第一人者J.バトラー(Judith Butler)の思想に出会いました。現在は彼女が主にフェミニズムやアイデンティティ政治学の領域で展開している批判理論の枠組みを、より一般的な人間形成論へと彫琢することを目指しています。同時にそうした人間形成モデルの観点から道徳性発達段階説やカウンセリングなどの心理学説を応用した道徳教育実践プログラムの妥当性を検証することをサブテーマとしています。
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テーマは「教育」です。「教育」は単に学校という場でのみ生じるものではありません。親と子、友人関係、あるいは本を読む、映画を見るなどの経験において、あらゆるところで学びは起動します。教える-学ぶという事象のもつ面白さについて、これまでどういった研究の蓄積があり、それを踏まえて自分はどのように研究を深めていくのか。ゼミでの発表や議論を通して、卒論という形にしていきます。
専門ゼミ(Ⅰ)の前期では、テーマの探し方、文献のあたり方などゼミ研究の基本的な作業や方法について確認した後、実際に教育に関する文献を輪読し、研究の手順や方法について学びます。後期はゼミメンバーのみなさんが自分で選んだテーマについて報告してもらい、受講者全員で質疑応答や議論を行います。
専門ゼミ(Ⅱ)では、それぞれの卒論テーマを深めていきます。報告者がレジュメを作成して報告し、受講者全員で議論します。同じ事象に関心をもつ他メンバーと交流しつつ、ともに学ぶことを通じて、研究の面白さを体感するとともに、教育という事象へのそれぞれのアプローチをはっきりさせ、卒業論文執筆へと繋げていきます。
社会福祉・子どもをメインに、「何をどう学ぶか」の組み合わせは7種類。
3年次までにやりたいことを見つけましょう。