国際理解に不可欠なのが宗教学。
宗教を学ぶと世界の仕組みがわかる!
人間が見えてくる!
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- 中野敬一 教授
- NAKANO Keiichi
- キリスト教学
「死」は
人間の避けられないもの。
死を考えることで
「生」への見方が大きく変わる。
死生観や葬送儀礼を考察して「生」と「死」の多面的理解を目指しています。
併せて生殖補助医療や尊厳死、臓器移植等について学び、「いのち」への洞察力を高めています。
私はこんな人!
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私は大学でキリスト教神学を学びました。神学には、聖書神学・歴史神学・組織神学・実践神学という四つの分野がありますが、とくに聖書神学(新約聖書神学)と実践神学で扱うことを研究し、現在も実践神学が専門分野になります。実践神学というのは、教会の現場における事柄に関する学問です。具体的には、礼拝や説教、礼典や儀式(聖餐、洗礼、結婚、葬儀など)、教会音楽、牧会カウンセリング等が主な対象となります。
その中でも「葬式」や「記念式」などを指す「葬送儀礼」に興味を持ち研究を始めました。それに関連して「死生観」や「他界(あの世)観」についても研究しています。キリスト教だけでなく他宗教や他文化における死生観とも比較するので、とても興味深いものがあります。「死」を研究テーマに扱う、と聞くとギョッとされるかもしれませんが、必ず誰もが体験することですから、その研究は必要だと思います。
また、「死」を扱うことは「いのち」について考えることにも繋がります。いのちとは何か。どの時点から命が始まるのか?との問いに答えるのは容易くありません。生殖補助医療や脳死、臓器移植、安楽死や尊厳死などについての研究も進めているところです。
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私のゼミは、上述の「私の研究分野」に挙げているテーマを基に進めています。書籍や学術論文を読んで知識を深め広げながら、発表やディスカッションを行います。主に扱うテーマは、「キリスト教と他宗教」と「命や死に関することがら」の二本柱です。
前者では、キリスト教とその他の宗教(ユダヤ教や神道、仏教等)を扱います(学生の皆さんの興味に合わせていずれかを選びます)。キリスト教概説やキリスト教学で学んだ内容に専門的な知識を加えることや、宗教からの視点で歴史や文化の考察を行うことを目的としています。
また、教室での学びだけでなく「体験的な学び」として、美術館や神社仏閣等にも出かけるようにしています。
後者では、「死」に直接関連するものとして、「冠婚葬祭」や「諸宗教の葬儀」、「死の準備教育」など。「いのち」や「生命倫理」に関するものとしては、優生思想、生殖補助医療(人工授精、体外受精、代理母、代理出産等)、着床前・出生前診断、人工妊娠中絶、脳死と臓器移植、安楽死と尊厳死、死刑制度など多岐にわたっています。
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- 大澤 香 准教授
- OZAWA Kaori
- 聖書学
聖書の中には
たくさんの「宝」が埋まっていて、
皆さんに発見されるのを
待っています!
聖書の「読み」という視点から、キリスト教誕生の背景を研究しています。
多様な状況の中で聖書を読んだ古代の人々の視点を学び、現代の私たちが聖書を「読む」道筋を模索します。
私はこんな人!
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私の専門は聖書学です。旧約聖書・新約聖書および様々な関連文書を対象とし、特にキリスト教が古代イスラエル人によって記された旧約聖書をどのように受容したのか、ということに関心を持って研究しています。旧約聖書は、古代イスラエルが古代オリエントやヘレニズム世界との文化的交流を経験する中で形成されました。そして周辺文化の更なる影響を受けながら、新約聖書すなわちキリスト教の思想やイメージの基盤となっています。たとえば「天使」。そのルーツを宗教史的に辿ると、古代オリエントの多神教文化との接点が浮かびあがります。旧約聖書の中の天使の役割は、古代イスラエルの書記や祭司、預言者の役割とも重なっています。また、聖書を文学的に分析すると、天使の描写やイメージとイエスの描写やキリスト論との関連も見えてきます。
キリスト教成立の背景や状況を研究する際に、「読者」の視点を研究の中に位置付けることを模索し続けています。様々な時代や状況の中で聖書を読んだ人々の視点です。研究で扱うのは直接には過去の「読者」ですが、その地平はどこかで現在の「読者」、つまり今聖書を読む私たちの地平ともつながっているのではないかと思っています。
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私のゼミでは、古代オリエント(エジプト、メソポタミア、ユダヤ、小アジア)および古代ギリシア・ローマの歴史、宗教、思想、神話、民話、文化等に関する知識を得るため、基本文献を購読します。並行してその学習から派生するさまざまな問題について、担当者が発表をし、課題の掘り下げを試みます。さらにその発表をめぐって検討・討論し、当該テーマへの理解を深めるよう努めます。全体を通して、その理解を現代のさまざまな場面に応用する方法の習得を目指したいと思います。取り上げる基本文献や主題の詳細については、各自の関心に対応して決定する予定です。ゼミの中で他の参加者に伝わるように発表し、互いの発表やコメントに刺激を受けながら、自身のテーマの考察を更に深め、卒業論文を執筆していただきたいと思っています。
宗教学をメインに、「何をどう学ぶか」の組み合わせは7種類。
3年次までにやりたいことを見つけましょう。