【プロジェクト科目】先住民族アイヌを学ぶ
プロジェクト科目【先住民族アイヌを学ぶ】では、3泊4日で北海道へフィールドワークに行きました。今年は札幌を拠点にバスチャーターなしで、公共交通機関を利用して各地を訪問しました。
1日目

ウポポイ・国立アイヌ民族博物館へ。
博物館では、アイヌ語が「第一言語」として最初に表示されています。「アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館)」は、"わたしたちの共有する宝物が入った建物"という意味のアイヌ語。
展示室は、一方向の順路ではなく、来館者が関心に従って自由に行き来できる点が印象的でした。見学した後の講話の時間では、学生たちも展示を見ての感想や質問を緊張しながらも述べていきます。

ウポポイの中には、いろいろな体験プログラムもありました。民族衣装を体験!
2日目

札幌大学の本田優子先生に、「アイヌ民族の歴史と現状、そしてこれから」と題してご講演いただきました。
歴史と現状について、ウレㇱパ・プロジェクトについて、とても分かりやすくお話しくださいました。「マジョリティー(多数者)がマジョリティーとして真に成熟するための教育プログラムでもある」とのお話は、大変示唆に富むものでした。

大学内の展示・作品についても詳しく解説をいただきました。
平取町二風谷在住の貝澤徹さんの作品「タネサスイシㇼ tanesasuysir」。ホㇿケウカムイ(オオカミ)、キムンカムイ(クマ)、コタンコㇿカムイ(シマフクロウ)、レプンカムイ(シャチ)、ヤオㇱケㇷ゚(クモ)たちの姿、そして裏面には死後の世界が描かれています。

札幌市アイヌ文化交流センター(サッポロピㇼカコタン)を見学。こちらの展示は手で触れることができ、質感や重さを感じながら学ぶことができます。
夕方からはポロチセ(大きい家)にて、アシㇼチェㇷ゚ノミの前夜祭(アシㇼチェㇷ゚ノミ実行委員会による実施)を見学させていただきました。この日は特別に、カムイノミの儀式の後、ユㇰ(鹿)のオハウをご馳走になりました。ユㇰ(鹿)の肉がとても柔らかく、本当に美味しいオハウでした...!!
3日目

午前中はグループに分かれて、札幌市内の関連施設を訪問しました。午後は、豊平川河川敷にて行われる第44回アシㇼチェㇷ゚ノミの本祭を見学させていただきました。アシㇼチェㇷ゚ノミは、新しく登る鮭に感謝し、カムイに祈りを捧げるアイヌ民族の伝統儀式です。明治以降、鮭の全面禁漁に伴い消滅していった儀式が1982年に復活されました。この日のアイヌ料理試食会のメニューはチェㇷ゚オハウ。こちらのオハウもとても美味しかったです。

カムイノミの儀式の後、女性たちによるイチャルパ(先祖供養)が行われました。少し雨も降りましたが、古式舞踊を見学させていただき、最後はみんなで一緒に踊りました!
4日目

最終日は、北海道開拓の村と北海道博物館へ。開拓の村を見学した後、北海道博物館で展示の解説を伺います。古い時代から時系列の展示ではなく、現代を生きる人々のコーナーから始まる展示についてお話を伺いました。
この後、空港に向かい関西に戻りました。フィールドワークでお世話になったみなさま、ありがとうございました!!
プロジェクト科目の詳細は、こちらからご覧いただけます。

