プロジェクト科目【先住民族アイヌを学ぶ】
プロジェクト科目【先住民族アイヌを学ぶ】では、3泊4日で北海道へフィールドワークに行ってきました。
1日目
帯広百年記念館へ。学芸職員の欠ヶ端さんの解説を伺います。
氷河期、北海道はサハリン、シベリアと陸続きで、動物や人が陸伝いに移動したこともあったと考えられているとのこと。
縄文時代の後、北海道では弥生時代にはならず、続縄文時代、擦文時代に。擦文時代、鉄器を使うようになり、擦文の人たちとオホーツクの人たちの文化が混ざってアイヌ文化になったと言われています。
2日目
白糠アイヌ協会主催の、アイヌ伝統儀式「第29回フンぺ際 イチャルパ(鯨際)」を見学しました。
ウレシパチセ(互いに育む家)にて、見学の予定が、学生たちは着物を着させていただいて、儀式に参加させていただきました。
パシクル海岸フンぺリム発祥地碑広場に移動。
ヌサオンカミ(祭壇にそえられたイナウへの祈り)が行われました。
3日目
阿寒湖周辺とアイヌコタンを散策しました。
山ブドウの葉っぱは、昔トイレットペーパーとして使っていたそうです。
ノリウツギの木(アイヌ語名:サビタ)はムックリ(竹製の楽器)の材料として使用されています。キセルやチシポ(針入れ)にも。かつて、針一本とクマの毛皮一枚が交換されたこともあったとのこと。
テラスに戻り、みなさんとバーべキューを楽しみました。
4日目
浦幌町立博物館へ。学芸員の持田さんがとても分かりやすく解説をしてくださいました。
かつて愛牛地区で、96体のアイヌ遺骨の持ち出しという悲しいことが起こりました。博物館は持ち出しに関わっていませんでしたが、かつて発掘の際に見つかった女性の頭骨を文化財として所蔵しており、返還の際に、所蔵の遺骨を共にお返ししました。文化財として保管されている遺骨を返還・埋葬したのは、当博物館のみです。
博物館としては、副葬品も本来遺骨とともにあるべきものであるので返還しようとしましたが、返還運動の中心人物である差間正樹さんは、遺骨返還の際、副葬品については、学術研究に役立ててほしいと博物館に寄贈されました。このことからも、決して学術研究そのものを否定しているわけではないことがわかります。
博物館は、現在も一年に1回、副葬品の展示方法について、アイヌの方々と話し合いの場を持ち続けています。
台風の影響を心配しましたが無事に出発することができ、楽しく体験しながらアイヌについてさらに知ることができたフィールドワークでした!