世界を動かしてきた欧米の文化と歴史と
歴史の諸相を学びましょう。
欧米を知るためにも、
欧米に動かされてきた国々の文化と歴史を知るためにも。
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- 桐生裕子 准教授
- KIRYU Yuko
- 西洋史
過去のヨーロッパで起きた出来事やそこに生きた人々が、
現代社会の仕組みを教えてくれる!
中央・東ヨーロッパの近現代史を中心に、西洋史を研究しています。歴史を学ぶことを通じて、現代世界について理解を深め、さらに未来について考えてゆきたいと思っています。
私はこんな人!
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西洋史。特に中央・東ヨーロッパの近現代史を中心に、ナショナリズムや、国家の統治構造の変化(国家・社会・住民の関係の変化)について、社会史的手法を用いて研究しています。
【これまでの研究】
これまで主に、18世紀から19世紀にかけてのハプスブルク帝国を対象に、ナショナリズムの問題について研究してきました。ハプスブルク帝国は、多言語・多文化国家として知られていますが、ナショナリズムが深刻な問題となるのは、近代に入ってからでした。つまりナショナリズムの問題は、社会の近代化の過程で生じたと考えられます。そこでこれまでの研究では、近代にハプスブルク帝国の社会がどのように変化したのか、その過程でナショナリズムの問題がいかに生じてきたのか、社会史的手法を用いて考察してきました。
【今後の研究】
18世紀以降、ヨーロッパにおいて近代的な国家の形成が進むなかで、国家と住民との関係は大きく変化してゆきました。この点において中央・東ヨーロッパも例外ではありません。今後の研究では、社会政策を題材に、近代以降の中央・東ヨーロッパにおいて国家と住民の関係がいかに変化したか、考察してゆくつもりです。こうした作業を通じて、従来西ヨーロッパを中心に描かれてきたヨーロッパ史に、中央・東ヨーロッパを組み入れる形で、新たなヨーロッパ史を描き、さらに世界史をも見直してゆくことができれば、と考えています。
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私の専門は、中央・東ヨーロッパの近現代史ですが、専攻ゼミでは、時代・地域を問わず、西洋史に関心がある方を対象として、西洋史研究の方法を学んでゆきます。
歴史というと暗記科目と思われる方もいるかもしれません。しかし、実際の歴史研究とは、自分の疑問を出発点として、文献・史料を読みながら、自ら歴史像を構築していくという営みといえます。
私の専攻ゼミでは、こうした形で西洋史を研究するための技術・方法を学んでゆき、その成果を卒業論文にまとめてゆくことを最終的な目標とします。
3年生では、①文献・史料の探し方など、西洋史研究に必要な知識・技術を学ぶ、②実際に西洋史学にかんする文献を読んで西洋史研究の方法と成果を学ぶ、③自分の関心があるテーマを見つける、という3点が課題となります。3年生の間にできるだけいろいろな本を読み、面白いと思うテーマを見つけてください。
4年生では、①自分の関心があるテーマに関する文献を収集する、②集めた文献を読み進める、③研究成果を適宜ゼミで報告する、④卒業論文にまとめる、という形で勉強を進めてゆきます。
このゼミでは、さまざまな文献を読んで、仲間と議論するなかで西洋史研究の楽しさを感じるとともに、自ら疑問をもって、過去に向き合い、歴史像を構築してゆくことの面白さを感じて欲しいと思っています。
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- 三杉圭子 教授
- MISUGI Keiko
- アメリカ文学・文化研究
ディズニーランドとハリウッドでアメリカを語るなかれ。
文学をひもとけば
違う景色が見えてきます。
アメリカの文学、文化、社会について考察します。私たちの周りにアメリカの情報はあふれていますが、それらを消費するのではなく批評的視点をもって分析します。
私はこんな人!
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20世紀のアメリカ小説を研究しています。民族的マイノリティ、ジェンダー、そして世紀初頭のモダニズムにさかのぼり、何がどのように書かれているか、つまり主題とその表現形式について考えています。
今は特に語りの技法に興味を持っています。たとえば、ある少女の成長を描いた物語があるとします。まず、語り手は誰なのかを考えます。少女が自らの言葉で「私は」と語るのであれば、読者の共感に訴えることができます。あるいは、少女の親友が語り手であれば、その人物の感情や価値判断が反映されていきます。他方、すべてを見通した全知全能の語り手は、均整のとれた完結した物語を提示することができます。また、物語は現在進行形で進むのか、それとも過去を振り返る形になっているのか、客観性を強調する簡潔な短い文体で書かれているのか、あるいは句読点を排除して意識の流れをそのまま定着させようとしているのか、といった点にも注目します。それらは内容を最も効果的に伝えるために選びとられていて、時には様式そのものが作品の在り方を決定づけます。
小説は社会の鏡です。世界で大きな影響力を持つアメリカの小説を研究することは、今を考える一つの有効な鍵になります。
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アメリカ合衆国の文化について学びます。政治、経済、社会、文化、あらゆる面で、私たちはアメリカの影響を受けています。私たちのまわりにはアメリカについての情報が溢れていますが、それらを単に受容、消費するのではなく、批評的視座をもって分析、解読する姿勢を身につけてほしいと思います。私の研究は上述のように20世紀のアメリカ小説で、マイノリティ、ジェンダー、モダニズムなどに関心がありますが、ゼミで扱うテーマは必ずしもそれらに限定しません。アメリカ文化の独自性はその多様性にあります。様々な人種、民族、宗教、価値観、それらがぶつかりあい、せめぎあう中から何が生まれてきたのか、そして何が生まれてゆくのかを考えます。
卒業論文の執筆は大学生活の集大成です。自分でテーマをみつけて資料にあたり、独自の議論を展開することは、汎用性の高いスキルです。リサーチに基づいた論理的な説得力のある論文執筆を目指します。授業では、プレゼンテーション、ディスカッションを重視します。互いに切磋琢磨し、学び合うことが大切です。詳しくは個人サイトhttp://kmisugi.hiho.jp/kmisugi/を参照して下さい。
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- 孟真理 教授
- MO Mari
- ドイツ文化・ドイツ文学
ドイツ文化の窓から、ヨーロッパが、日本が見える。
文学テクストを通して、
私たちの現実が浮き彫りになる
19~20世紀のドイツ、オーストリアを中心に、ヨーロッパの文化・文学・芸術などについて研究します。文化というテクストの重層性を読み解く力を養います。
私はこんな人!
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20世紀前半のドイツ・オーストリアの長編小説を研究しています。大学生のときトーマス・マンの『魔の山』に魅せられて以来、時代思潮や文化に正面からとりくんだ大がかりな思想小説の分析をしてきました。現在の主な研究対象は、オーストリアの思想家・作家ヘルマン・ブロッホ。日本ではあまり知られていませんが、世紀末ウィーンの耽美的雰囲気のなかで生まれ育ち、ナチスに追われてアメリカに亡命、時代の激動を生きるなかで「ヨーロッパ近代」の没落に対する強い危機意識を著作の軸とした人物です。
長編小説は、一瞬の心の動きから時代の大きな流れに至るまで、「ありとあらゆるもの」を素材に、言葉によって編み上げられた人工的な世界です。この人工物の精緻な構造のなかに一時代のなまなましい現実がどのように絡め取られているのか、作品の「内」と「外」の境界域を掘り起こすべく、モダニズムの実験的な小説技法と時代批判・文化批判的言説の両面に目を向けています。
一方、狭義の文学研究をやや離れて、20世紀初頭の文化運動、特に建築デザイン運動や生活改革運動にも注目しています。目下のテーマは、ウィーン分離派からモダニズムの建築運動と、文学との繋がりを考察することです。
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ドイツ・オーストリアを中心に、ヨーロッパの文化・文学・芸術・社会について研究するゼミです。3年次前期は、近現代ドイツ文学をテキストに、作品分析の方法を学ぶとともに、時代思潮や風土・文化・人間像などを考察したり、芸術諸ジャンルとの関連を探ります。2012年度は、「幻想」をメインテーマにロマン派から現代までの短編作品数編を読み、「不気味なもの」「メルヘン」「芸術家」「国家と個人」「ユダヤ人迫害」「移民問題」などについて議論しました。
3年次後期からは、ゼミ生各自が選んだテーマによる発表と討論を中心に進め、卒論の研究課題を絞り込んでいきます。文学・芸術系では、グリム童話・幻想文学・映画など、文化史・社会史系では、ナチス時代やハプスブルクなどがよく取りあげられます。
文化研究はテーマも方法論もさまざまですが、ゼミの討論では、一見遠いテーマの中に参加者それぞれが自分の問題意識との接点を発見し、新しい視座を提供することが求められます。それは、遠い時代や地域の事象に照らして、現代日本の私たちを見つめる修練にもつながります。手堅い方法論もむろん大事ですが、自由で柔軟な発想力を養うことにも重点を置いています。
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- 渡部充 准教授
- WATANABE Mitsuru
- イギリス文化
知っているようで、
実はあまり知らないワンダーランド、英国を一緒に探検しましょう。
英国の文化や文学を中心に研究します。他国に先駆けて近代化を成し遂げた国の文化や文学を学ぶことは、日本のことを考える際にも貴重な視点を提供してくれるでしょう。
私はこんな人!
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私の研究は、18世紀から19世紀にかけて生きた英国の詩人であり、画家、銅版画師でもあったウィリアム・ブレイクからスタートしました。言葉を用いた言語表現(=詩)と視覚的表現(=銅版画)が一体となっていることが彼の作品の特徴で、両者を合わせてその作品群を「読む」ことが最初の研究の中心でした。ブレイクには理想的な世界を芸術表現で達成しようとした『ジェルサレム』という作品がありますが、そこから出発して、理想の国家ないし社会を描き出すユートピア文学(『ユートピア』『ガリヴァー旅行記』など)、あるいはその反対のディストピア文学(『すばらしい新世界』『一九八四年』など)に関心を広げました。文学と科学技術との関連を探るといったことが関心の中心にありました。
その後さらに、英国のポピュラー・カルチャー(大衆文化)へと関心が移行しています。現在は主にポピュラー音楽(特に英国のロック・ミュージック)についての勉強をすすめながら授業でも取り上げています。また、沖縄の文化・芸能に強く惹かれるようになり、フィールドスタディなどを通して沖縄ともかかわっていきたいと考えています。
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専攻ゼミでは英国文化、特に文学、映画、音楽、美術といった芸術系のものを中心にテーマ設定しています。しかし、何を研究するかは学生たちの希望を入れて、ある程度自由にしていますので、かなり幅広いテーマについての研究が可能になっています。上記以外で学生に人気があるのはフットボール(サッカー)やミュージカル(英国のものに限らず)、あるいはアニメーション(日本のアニメも含めて)といったものです。いわゆるサブカルチャー全般を対象としていると言ってもいいかもしれません。
ゼミの授業は学生の発表を中心にすすめています。3年前期はテキスト購読。3年後期は学生によるミニ講義。4年前期はテキスト批評。4年後期は卒論中間発表。原則として学生ひとり30分以上の発表をしてもらっています。学生によっては私もよく知らないテーマを設定して研究することがありますが、「学生を指導する」というより「学生から学ぶ」あるいは「学生と共に学ぶ」という姿勢で運営しています。他に話す力のトレーニングとして、毎回の授業で特定の話題について1分間スピーチをしています。
欧米の文化と歴史をメインに、「何をどう学ぶか」の組み合わせは7種類。
3年次までにやりたいことを見つけましょう。